うつになる人の考え方の特長とは?~鬱(うつ)・躁鬱(そううつ)=双極性障害・適応障害・統合失調症など精神疾患による休職・退職や、引きこもりから復活した人の経験をお伝えするコラム「当事者目線」 ケースNo1・第2回 経歴と先天的な性格(後編)
第1回 経歴と先天的な性格(前編)はこちら
はじめに
自然、農の力でメンタルヘルス(心の健康)を取り戻す・Regain(リゲイン)の萩原です。
メンタルヘルス不調は、誰にでも起こり得る問題です。
しかしメンタルヘルス不調を原因として引き起こされる精神障害や精神疾患は、多くの人にとってネガティブなイメージがあり、直面した当事者が自分の障害を受け入れることは困難です。
その結果、精神的につらい状況を抱え込み、誰にも相談できずに苦しむことになります。
このコラムでは、就労中に鬱(うつ)病や双極性障害、適応障害、統合失調症などの病気を発症し、そこから回復を果たした当事者の声をお届けします。
彼らの経験談が、同じような状況に陥って悩んでいる方々の参考となり、助け合いの輪が広がることを願っています。
ケースNo1.Yさん:50歳男性。就業中に鬱(うつ)、躁鬱(そううつ)を経験。休職からの復職経験あり。
先天的な性格と認知のクセ
萩原:Yさん、ステレオタイプのサラリーマンとは違う若手起業家としての道を選ばれたんですね。今回は、精神疾患に関連する先天的な性格や認知のクセについてお伺いします。
Yさん:大学を卒業直後に起業したように、思いついたらすぐ行動する集中力、あるいは視野の狭さとも言えますが、それが実は鬱(うつ)病や双極性障害の素地かもしれません。また、完璧主義とは違いますが、「かまってちゃん」的な承認欲求が強く、物事にストイックに取り組む中で妥協が苦手です。思い通りにできないと落ち込むことが多いです。
さらに、不安を感じやすいタイプかもしれません。小学校でのトイレの失敗がトラウマで、今でもトイレに行けない場所に長くいると不安になります。劇場の席に座った途端に不安が強まり、開始前に帰ってしまったこともあります。
最後に、些細なことに対して怒りを感じ、それを抑えるのが難しかった時期があります。振り返ると、これは双極性障害の「躁(そう)」のサイクルだったのかもしれません。歩行中にマナーの悪い車を見つけると、運転手に近づいて睨みつけることもありました。
萩原:なるほど、Yさんの成育歴や考え方の特長を踏まえ、次回以降もお話を伺いたいと思います。本日はありがとうございました。
ディスクレーマー
- 当事者のプライバシー保護のため、当事者の属性(基本情報)を一部変更しています。変更した内容はフィクションですが、障害に関することや当事者が感じたことについての記載は、事実及び、当事者からのヒアリングに基づくものです。
- 執筆者は医師ではなく、医療行為や医療行為に関するアドバイスを提供するものではありません。
- 症状に対する対処法は当事者の選択であり、他のケースに当てはまるとは限りません。
わたしたちRegainについて
Regainは、主に就労中のストレスにより心の健康を失った人が、野菜作りを通じて傷ついた心をいやし、本来の自分らしさを取り戻すサポートを行う団体です。
自然に触れて野菜を育てることで、傷ついた心をいやしていきながら、本当に自分がやりたいことや、働き方・生き方を見つめ直すきっかけになるような場所を作っていきます。
毎週、藤沢市葛原の畑で活動しています。お気軽に見学・体験(いずれも無料)にお越し下さい。申し込みは下記のWebサイトから。どうぞ、よろしくお願いします。