第1回 経歴と先天的な性格(前編)はこちら
第2回 経歴と先天的な性格(後編)はこちら
第3回 発症直前の様子 はこちら
自然、農の力でメンタルヘルス(心の健康)を取り戻す・Regain(リゲイン)の萩原です。
メンタルヘルス不調は、誰にでも起こり得る問題です。
しかしメンタルヘルス不調を原因として引き起こされる精神障害や精神疾患は、多くの人にとってネガティブなイメージがあり、直面した当事者が自分の障害を受け入れることは困難です。
その結果、精神的につらい状況を抱え込み、誰にも相談できずに苦しむことになります。
このコラムでは、就労中に鬱(うつ)病や双極性障害、適応障害、統合失調症などの病気を発症し、そこから回復を果たした当事者の声をお届けします。
彼らの経験談が、同じような状況に陥って悩んでいる方々の参考となり、助け合いの輪が広がることを願っています。
萩原:第4回、第5回では、「急性期の実情」として、Yさんに何が起こったのか、そして医療につながった経緯や診断についてお伺いします。
Yさん:はい。一般的には発症直後から約3カ月を「急性期」と呼びます。この時期は症状が急激に現れます。
Yさん:私の場合、急性期から回復期、再発予防期と順番通りには進みませんでした。発症後間もない時期でも症状が気にならないこともあれば、かなり時間が経ってから長期間落ち込むこともありました。
萩原:実態は教科書に書いてある通りとは限らない、というわけですね。
Yさん:はい。また、初診から10年以上経ってから、診断が鬱(うつ)病から、躁鬱(そううつ)=双極性障害に変わりました。つまり、通常時(ゼロ)と落ち込み(マイナス)だけでなく、過度に活発的(プラス)になることもある、というわけです。
萩原:前回は、仕事でのストレスや他人との比較による落ち込みについて伺いました。その結果、どんなことが起こりましたか?
Yさん:診断を受けた直前・直後のことはよく覚えていませんが、常に焦っている感じでした。集中力が低下し、仕事が手につかず、部下との関わりも少なくなりました。ネットで鬱(うつ)病をチェックできることは知っていましたが、直視できずに先延ばししていました。ある日、あえて軽い気持ちでセルフチェックをしたところ、「たぶん鬱(うつ)病だから病院に行った方がいい」となり、さらに焦燥感が強まりました。
萩原:心の健康が損なわれた場合、受診すること自体に心理的なハードルがありますね。
Yさん:はい。まさか精神病院に行くとは思っていませんでしたから、精神的につらい状況に陥っても、精神障害と言われるほどひどい状態ではない、と現実を見ないようにしていました。しかし、いざ予約しようとしたらすぐに取れず、診察まで数日かかることに絶望的な気分になりました。涙したと記憶しています。
萩原:大変な状況についてお話いただき、ありがとうございました。次回は、急性期のさらなる実情についてお伺いします(後編に続く)。
Regainは、主に就労中のストレスにより心の健康を失った人が、野菜作りを通じて傷ついた心をいやし、本来の自分らしさを取り戻すサポートを行う団体です。
自然に触れて野菜を育てることで、傷ついた心をいやしていきながら、本当に自分がやりたいことや、働き方・生き方を見つめ直すきっかけになるような場所を作っていきます。
毎週、藤沢市葛原の畑で活動しています。お気軽に見学・体験(いずれも無料)にお越し下さい。申し込みは下記のWebサイトから。どうぞ、よろしくお願いします。