うつを再発しやすい人はどんな人か?鬱(うつ)・躁鬱(そううつ)=双極性障害・適応障害・統合失調症など精神疾患による休職・退職や、引きこもりから復活した人の経験をお伝えするコラム「当事者目線」 ケースNo.1・第9回 再発予防期の注意点(後編)
第1回 経歴と先天的な性格(前編)はこちら
第2回 経歴と先天的な性格(後編)はこちら
第3回 発症直前の様子 はこちら
第4回 急性期の実情(前編)はこちら
第5回 急性期の実情(後編)はこちら
第6回 回復期の取組(前編)はこちら
第7回 回復期の取組(後編)はこちら
第8回 再発予防期の注意点(前編)はこちら
はじめに
自然、農の力でメンタルヘルス(心の健康)を取り戻す・Regain(リゲイン)の萩原です。
メンタルヘルス不調は、誰にでも起こり得る問題です。
しかしメンタルヘルス不調を原因として引き起こされる精神障害や精神疾患は、多くの人にとってネガティブなイメージがあり、直面した当事者が自分の障害を受け入れることは困難です。
その結果、精神的につらい状況を抱え込み、誰にも相談できずに苦しむことになります。
このコラムでは、就労中に鬱(うつ)病や双極性障害、適応障害、統合失調症などの病気を発症し、そこから回復を果たした当事者の声をお届けします。
彼らの経験談が、同じような状況に陥って悩んでいる方々の参考となり、助け合いの輪が広がることを願っています。
ケースNo1.Yさん:50歳男性。就業中に鬱(うつ)、躁鬱(そううつ)を経験。休職からの復職経験あり。
再発の原因と認知の影響
萩原:そのような進歩があったにもかかわらず、二度にわたって再発してしまったのはなぜでしょうか?
Yさん:一番大きな要因は自身の認知にあると思います。IT企業の社長と自分を比較して落ち込んだケースのように、ある事象が起こったときの捉え方が影響しました。SST(ソーシャルスキルトレーニング)や認知行動療法を通じて、悲観的に捉えた物事をポジティブに見直すことを学びましたが、優れた人を見つけては比較し、羨ましくなって、つらくなる思考のクセがあります。そのため、物事を別の角度から見直すリフレーミングを常に行うことが必要で、自分を理解してくれる支援者が大切な存在です。
吐き出す場所の重要性
Yさん:それと、吐き出す場所ですかね。理解まではしてもらえなくても。そっとしておいてくれるというか。
萩原:例えば、どんな場所で吐き出すのですか?
Yさん:非公開のSNSアカウントでゆるくつながっている人たちがいます。その人たちと、なんとなくお互いに調子悪いこと書いてるなーって認識しあってるのは、つらいのは自分だけじゃない感じがして良いですね。
多くの場合、ちゃんと励ますというより、「いいね」を押して「見てるよ」という合図をするだけですが、たまに励ますこともあるので、多少役立ってる感もあります。
萩原:これまで様々な困難があったからこそ、気づいたこと、たどり着いた境地があるわけですね。最終回となる次回は、Yさんの今後の人生の展望について伺いたいと思います。本日はありがとうございました。
ディスクレーマー(免責事項)
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- 執筆者は医師ではなく、医療行為や医療行為に関するアドバイスを提供するものではありません。
- 症状に対する対処法は当事者の選択であり、他のケースに当てはまるとは限りません。
わたしたちRegainについて
Regainは、主に就労中のストレスにより心の健康を失った人が、野菜作りを通じて傷ついた心をいやし、本来の自分らしさを取り戻すサポートを行う団体です。
自然に触れて野菜を育てることで、傷ついた心をいやしていきながら、本当に自分がやりたいことや、働き方・生き方を見つめ直すきっかけになるような場所を作っていきます。
毎週、藤沢市葛原の畑で活動しています。お気軽に見学・体験(いずれも無料)にお越し下さい。申し込みは下記のWebサイトから。どうぞ、よろしくお願いします。